夏への扉/ロバート・A・ハインライン

SF小説の名作というふれこみで読んでみた。

内容としてはいまではそれほど物珍しい設定が使われているわけではないが(タイムトラベルとコールドスリープ)、現実には存在しない家電製品の描写や架空の未来の突拍子過ぎないがほどほどよい設定などの世界観づくりのおかげで

「さすがにそれはちょっと」

と思うところがすくなくストーリーに没頭することができる良作。

とくに冒頭から成功者であった主人公が無一文になるレベルまでたたきふせられた後から、清々しいくらいわかりやすく逆転していく中盤から終盤にかけてはかなり夢中になることができた。

ストーリをかいつまんで話してしまうと割と簡単な話で一見おもしろくないようにも感じるが、わかりやすくやられてわかりやすく逆転するという展開を「後はお好きにご想像を」ってブン投げずにしっかりきれいに書ききってくれていてとても心地よい。

共同経営者と婚約者にはめられて自らの発明品の権利一切合切を奪われ会社から追われる。

現在に絶望し、冷凍睡眠(コールドスリープ)で30年後の世界に行く。

株を信託していた会社が倒産しており無一文で30年後の世界をスタートする。

自分の設立した会社から自分を追った共同経営者と元婚約者がいなくなっており、現在の経営者に創業者故郷に戻るという客寄せパンダとして雇われる。

自分が冷凍睡眠する前に考えていた発明が自分の名前で特許取得されていることを発見する。

仲良くなった技術者からタイムトラベルが発明されていることを聞き、博士を挑発し機密事項として禁止されているタイムトラベルを実行させ、31年前に戻る。

弁護士のジョン夫妻と知り合う。

未来でみた「自分の名前で登録されている発明品」を開発、特許申請をしジョンに会社経営を任せる。

リッキィという少女に株を預け自分は冷凍睡眠で30年間眠るから、リッキィが21になってまだ自分のところに来たいと思ってくれるなら今から30年後の2001年に目覚めるように株の利益金使って冷凍睡眠にかかってくれと頼む。

2001年でリッキィと再会し結婚する。

大きくなった会社の経営をそのままジョンに頼み、自分は小さな会社を立ち上げそこで技術屋として発明をしながら妻のリッキィと猫のピートとすごしていく。

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