ノルウェイの森/村上春樹

2023年最初の読書感想文です。本年も懲りずに自分のためのアウトプットを続けていきますので「カテゴリ:読書」もよろしければお付き合いください。

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの「ノルウェイの森」が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ二十歳になろうとする秋の出来事を思い出し、激しく混乱していた(上巻裏表紙より)

あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分の間にしかるべき距離を置くことーー。新しい僕の大学生活はこうして始まった。自殺した親友キズキ、その恋人の直子、同級生の緑、等身大の人物を登場させ、心の震えや感動、そして悲しみを淡々と切ないまでに描いた作品。(下巻裏表紙より)

言わずと知れた村上春樹の代表作。

映画化もされたこの作品は村上春樹独特の世界観が凝縮された作品であるため、世界観を味わうには一番わかりやすい作品です。

俗にいう「結局何が言いたかったんじゃい」という作品という事です。

雰囲気を楽しんで内容をぼんやりと味わうという事が好きな人にはおすすめの読み物ですが、話の完結性やストーリー展開を重視する人にはあまりオススメはできないかもしれません。今まで村上春樹作品に触れたことがない人が最初に読む本としてはこれが良いと思いますが、これが無理ならおそらく他の作品も琴線には触れないでしょう。

私自身が村上春樹作品のファンであるという前提を入れた上で誤解を恐れずに言うならば、そもそも村上春樹という人がベストセラーになるほど一般大衆に支持される作品を書いているとはどーしても思えません。

まぁそもそもこの娯楽飽食のご時世に読書を好むようなタイプの人間は、一様に変態が多いという事なのかもしれませんがww

内容としては、

主人公の親友である「キズキ」が十七で突然の自殺、寮の同室で「突撃隊」というあだなの男が里帰りしたまま失踪、キズキの恋人でありその後主人公の恋人でもある「直子」の自殺、大学の先輩である永沢さんの彼女「ハツミ」さんも自殺。

元カノ、先輩とのおつきあいでナンパからの一夜限りの女性たち、直子、新宿の朝5時に知り合った謎の小柄な女性、同級生の緑、そして直子の療養先にいる患者兼スタッフのレイコさんとの性行為描写。

人が死にすぎで、SEXしすぎ。

最終的には

彼女である直子の自殺をきっかけとしてレイコさんは社会復帰、札幌で音楽教室の先生となるため療養先を出ることに。主人公は同級生である「緑」とこの先の生活を共にしよう決心する。

レイコさんを破滅に追い込んだ女の子、直子の病気・自殺の真相等謎が残りすぎているがこれが村上春樹作品ということなのでしょう。

本作品の「直子」は他の作品との関連性などがあって云々かんぬん・・・・という事もあるそうですが、そういった謎解きなどは生粋のハルキニストの方々にお任せして、個人的には村上春樹作品は読後のこのふわふわした感じをたのしめればそれでいいと思っております。

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